建築業での工程管理は工事をスムーズに行う為に欠かせません。工程管理を紙ベースやExcelで行っていて、苦労されている方もいるのではないでしょうか?
この記事では工程管理の特長や導入時のメリットやデメリットとおすすめ工程管理ソフトを紹介いたします。
建築業向け工程管理ソフトとは?
建設業向けの工程管理ソフトウェアは、工事の進行を効率的に管理し、現場の生産性を向上することができます。
建築工事では、工事費、工期、資材、作業量といったさまざまな管理しなければなりません。また、天候の影響や資材調達に関する問題が発生することで、工程の見直しが求められることもよくあります。従来のExcelや紙を使った工程管理では、工程表の作成や修正にかかる手間や、関係者への情報共有に時間がかかるという課題がありました。
工程管理ソフトは、入力されたデータを簡単に情報の整理と情報共有ができ、複雑な工程管理を容易にすることができます。また、スマートフォンやタブレットで工程表を確認できるタイプや、Excel形式で出力できるものも存在し、現場のニーズに応じて迅速に工程表を共有することが可能です。予定とのずれを早期に発見することで、納期を守るための効果も期待できます。
建築業向け工程管理ソフトのメリットとは?
建築業界は効率化な工事管理が求められています。建築業向け工程管理ソフトを導入するメリットを見ていきましょう。
工事管理の効率化
工程管理ソフトを利用することで、工事の全体像を一目で把握することが可能になります。リアルタイムでの進捗状況の確認ができるため、スケジュールに遅れが生じた際にも迅速に対処できます。例えば、現場での作業が計画通りに進まない場合、他の関連タスクの調整を行うことで、全体の進行に影響を与えないようにリソースを再配分できます。これにより、スムーズな工事管理が実現します。
コミュニケーションの向上
工程管理ソフトは、チーム内での情報共有を円滑にします。全員が同じプラットフォームを使用することで、進捗や問題点を迅速に伝達でき、関係者間での誤解や情報の行き違いを減少させることができます。たとえば、現場で発生した変更点を即座に更新し、全メンバーに通知することで、業務の混乱を避けることができます。
コスト管理の効率化
工事におけるコストの管理は重要です。工程管理ソフトを導入することで、予算に対する進捗を常に把握できるため、計画外の支出を抑えることができます。例えば、過去のプロジェクトデータを参考にして、材料費や人件費を予測し、より正確な予算配分を行うことができます。リアルタイムでのコスト管理により、予想外の支出が発生した場合にもすぐに対応が可能です。
リスクの管理強化
工事には多くのリスクが存在します。工程管理ソフトは、潜在的なリスクを事前に特定し、それに対する対策を講じるための情報を提供します。たとえば、天候の影響や資材の供給の遅れといったリスクに対して、事前に計画を立てることで、プロジェクトの円滑な進行を確保します。このように、リスク管理が強化されることで、予想外の事態に対しても柔軟に対応できるようになります。
スケジュールの最適化
工事中のスケジュールの調整が避けられません。工程管理ソフトは、進捗情報に基づいてスケジュールを柔軟に見直すことを可能にします。このため、納期を守ることが容易になり、クライアントの信頼を得ることができます。たとえば、ある作業が予定より早く完了した場合、後続のタスクを前倒しで進めることができるため、全体の効率が向上します。
データ分析と報告の自動化
工程管理ソフトには、各種データを自動的に収集し分析する機能もあります。これにより、過去の工事のデータを活用し、より良い意思決定が行えるようになります。また、進捗状況やコスト分析の報告書を迅速に作成できるため、クライアントへの報告や社内報告もスムーズに実施できます。
建築業向け工程管理ソフトのデメリットとは?
建築業向けの工程管理ソフトは効率化や生産性向上に貢献する一方で、導入や利用に際していくつかの課題も存在します。ここでは、その代表的なデメリットを整理して解説します。
費用がかかる
工程管理ソフトを導入する際には、ライセンス料や設定費、場合によってはカスタマイズ費用がかかります。特に高機能なソフトは初期費用が高額になることが多く、長期的な投資としても負担となるケースがあります。また、クラウド型のソフトでは月額利用料が発生するため、総コストを長期間にわたって考慮する必要があります。
導入と教育に時間がかかる
新しいソフトウェアの導入には、設定やカスタマイズ、さらに操作習得のためのトレーニングが必要です。建築現場は多忙であるため、スタッフが慣れるまでに時間を要し、教育に時間がかかることが多いです。これにより、導入当初は作業効率が一時的に低下するリスクもあるため、十分な準備と計画が求められます。
操作が複雑になりやすい
建築業界向けの工程管理ソフトは多機能であるため、現場スタッフにとっては操作が難しいと感じられることが少なくありません。ITに慣れていないスタッフの場合、操作に苦戦することも考えられ、入力ミスや操作エラーが生じるリスクも増加します。こうしたエラーは業務の遅延や、工事の進行に悪影響を与えることがあります。
定期的なメンテナンスの必要性
ソフトウェアは最新の状態で使用するのが望ましいため、定期的な更新やメンテナンスが欠かせません。こうしたメンテナンスでは、システムが一時的に停止することがあるため、業務に支障が出る可能性があります。また、クラウド型の場合、インターネット接続に依存するため、通信状況が不安定な現場では使い勝手に課題が生じることも考えられます。
セキュリティリスクの存在
工事では、進捗状況やコスト情報、クライアントの情報など重要なデータが工程管理ソフトに集約されるため、データの漏洩や不正アクセスのリスクが生じます。クラウド型のシステムを使用する場合は、データがインターネットを介してやり取りされるため、セキュリティ対策が十分でない場合に脆弱性が発生する可能性があります。信頼できるサービスを選ぶことが大切です。
個別のニーズに応えにくい場合がある
工程管理ソフトは建築業向けに設計されているものの、パッケージソフトを利用する場合、全ての企業や現場の個別の要件に対応できるわけではありません。企業や現場ごとに異なる業務内容や運用ルールが存在するため、場合によってはソフトのカスタマイズが必要になります。ただし、カスタマイズには追加の費用がかかる場合が多いため、導入にあたってはコストと効果を慎重に評価することが重要です。
システム依存によるリスク
工程管理ソフトに依存しすぎると、システムがダウンした場合やアクセスできない状況が発生した際、業務が滞るリスクも考えられます。さらに、デジタル管理に頼ることで従来の紙ベースや口頭でのコミュニケーションが減少し、現場での柔軟な対応が難しくなる可能性もあります。工程管理ソフトの利便性を最大限に活用しつつ、他の方法や手段も確保しておくことが必要です。
建築業向け工程管理ソフト15選
アイピア
まずは、弊社が提供する建築業向け業務管理システム『アイピア』をご紹介します。
アイピアは工事管理に特化したシステムではありませんが、工事管理を含む建築業務を一括で管理することができます。
パッケージシステムでありながら、会社によって機能のON・OFFを変更することができ、必要な機能だけで利用することができるので、システムに慣れていない人でも簡単に使えます。
アイピアもクラウドシステムですので、外出先からでも工程表や帳票の作成から確認まで行えます。
特徴 |
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機能 | 見積作成、原価発注管理、工程管理、書類・写真管理、顧客管理、営業進捗管理、請求管理、入金管理、帳票作成、現場日報管理、物件管理、労務管理、在庫管理、その他 |
価格 | 初期費用120,000円~、月額10,000円~ |
体験版 | 無料体験版あり |
ダンドリワーク
ダンドリワークは、建築業の現場に精通したメンバーが開発したサービスで、建築工事の現場管理に特化した工事管理システムです。
現在80,000社以上が利用しており、元請会社と協力会社の情報共有をスムーズに行うことができると評判です。
各現場で撮影をした現場写真や図面・資料などを関係者とリアルタイムに共有することができます。
「画像書き込み機能」を利用すれば写真に直接コメントを書き込むことができるので、指示をより明確に伝えることができるでしょう。
特徴 |
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機能 | 現場管理、写真・資料管理、掲示板、コメント機能、工程表、受発注機能、検査管理、報告書作成機能、施主共有機能、勤怠管理、その他 |
価格 | 初期費用200,000~、月額19,800円~ |
体験版 | お問い合わせ |
ANDPAD
ANDPAD(アンドパッド)は、現場の効率化から経営改善まで一元管理できる建設プロジェクト管理サービスです。
協力会社と情報共有ができる施工管理機能はもちろんのこと、営業管理や原価管理なども管理することができ、工事に関する情報を一元管理することができます。
また、チャット機能もあり協力会社とのやり取りをスムーズに行うことができます。
18万社に導入され、建築業界から新築やリフォーム、ゼネコンや専門工事業界など、幅広い分野で活用されています。
特徴 |
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機能 | 施工管理、チャット機能、図面管理、検査機能、カレンダー機能、受発注機能、黒板付き写真、粗利機能、システム連携機能、申請・承認機能、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | お問い合わせ |
Photoruction
Photoruction(フォトラクション)は、建設・土木業界向けに作られた業務効率化サービスです。
大量の写真管理もスマートフォンやタブレットから撮影するだけで自動整理できたり、電子黒板や台帳の作成も簡単に行えます。
またスマホでもストレスを感じずに利用できるよう設計されているため、ITに苦手意識を持っている方を含め誰でも簡単に扱えます。
スーパーゼネコンが担当する大規模なプロジェクトから住宅施工まで、あらゆる案件に対応可能です。
特徴 |
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機能 | 工事写真、電子小黒板、図面、工程表、書類、検査、タスク、共有機能、その他 |
価格 | 初期費用0円、利用者数に応じた月額料金 |
体験版 | 無料トライアルあり |
e2movE 工事管理
e2movE(イー・ツゥー・ムーブ)工事管理は、e2movEの中でも、建設業・工事業向け原価管理に特化したパッケージです。
実行予算管理から工事の採算や進捗状況の把握、協力業者への原価計上、計上された原価をもとにした支払管理までワンストップで行えます。
「売上同時入力」は、売上と仕入を同時に登録できるため、入力作業が減り、仕入れた商品の販売先を追跡しやすくなります。
特徴 |
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機能 | 工事登録、実行予算登録、発注管理、工事原価入力、未払見込入力、工事状況紹介 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | お問い合わせ |
現場ポケット
現場ポケットは、1,000社以上の現場の声を聴いて作られた、建築工事会社のための現場管理専用アプリです。
現場管理に必要な機能に特化し、「トーク」「掲示板」「アルバム」「日報」「報告書作成」に絞り、職人の使いやすさを徹底しています。
報告書を作成する際は、テンプレートを使用するだけで簡単に行うことができ、労力を大幅に削減できます。
特徴 |
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機能 | 日報作成、職人の出退勤、報告書作成、写真管理、その他 |
価格 | 初期費用0円、月額10,800円 |
体験版 | アプリ体験無料セミナーあり |
AnyONE
AnyONE(エニワン)は、導入実績3,400社超を誇る、工務店・リフォーム会社の業務に特化した管理システムです。
大手・中堅企業から一人親方まで、企業規模や工事の種類を問わずに活用できます。
Excelからのコピー&ペーストや一括貼り付け、簡単な操作でのレイアウト変更など、使い勝手の良さに定評があり、ITに苦手意識を持つ人でも安心して利用できます。
特徴 |
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機能 | 顧客管理、工事・施工管理、見積もり/実行予算/発注、入出金管理、アフター管理 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | デモあり |
BUILD-U Premium
BUILD-U Premium(ビルドユー プレミアム)は、建設にまつわる業務を効率化する独自機能を搭載しているERPです。
建設会社・ゼネコン・工務店に必要な機能が揃っており、システム1つであらゆる作業を効率化します。
利用するために特別なアプリのダウンロードは不要で、Webブラウザ上ですべての作業が完結するため、モバイル環境でも快適に利用できます。
個別原価と財務会計を融合したシステムで、現場から経営までの情報をリアルタイムで共有することができます。
特徴 |
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機能 | 受注管理、入金管理、実行予算管理、原価管理、注文管理、請求管理、支払管理、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | デモあり |
蔵衛門
蔵衛門(くらえもん)は、建設や建築業界の写真管理に特化し、工事写真台帳を初めてデジタル化した施工管理アプリです。
工事現場で必要とされる現場写真や、工事の進捗状況を記録する黒板の写真データを保存・管理できます。
撮影するだけで、クラウド上に写真が共有され、仕分けと台帳の整理もAIが自動的に行います。
フリープランは0円から利用でき、プレミアムプランは利用するメンバーが増えるほど、月々の料金が安くなります。
特徴 |
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機能 | 写真機能、黒板機能、図面機能、写真台帳機能、トーク機能 |
価格 | 初期費用0円、フリー:0円〜/ プレミアム:880円〜 |
体験版 | 無料トライアルあり |
プロワン
プロワンは、工事やリフォーム、機器設置・修理といった、短期工事企業向けの統合業務管理システムです。
現場での作業員はタブレットから簡単に見積書や請求書、報告書などを作成できます。
顧客情報や売上データなどの管理も一元化されており、業務効率が向上します。
顧客満足度向上のための機能も豊富で、電話対応の質を向上させたり、満足度調査を自動化することで顧客のフィードバックを得ることができます。
運営元の株式会社ミツモアは、フィールドサービス事業者も多く掲載している相見積もりサービス「ミツモア」を運営している、業界に知見のある企業です。
特徴 |
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機能 | チャネル管理、顧客情報収集・整理、マーケティング機能、リード育成・商談管理、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | デモあり |
アラジンオフィス
アラジンオフィスは、建材・住宅設備業向け販売管理・在庫管理システムで、施工管理システムとしての活用も可能です。
幅広いジャンルに対応している管理システムをリリースしており、建設業はもちろん、ファッション・食品・医療・鉄鋼・非鉄・ねじなどあらゆる業界に特化しています。
コンパクトにまとめられたシステムではありますが、必要なものがない場合にはカスタマイズで追加することも可能です。
導入社数5,000社超え、ユーザーリピート率98.3%と、業種・業態を問わずさまざまな企業から支持を受けています。
特徴 |
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機能 | 見積管理、受注管理、売上管理、請求管理、債権管理、在庫管理、発注管理、仕入れ管理、支払管理、債務管理、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | お問い合わせ |
現場Plus
現場Plusは、建設現場の施工管理を効率化するクラウド型のアプリです。
住宅会社や工務店を中心に、現場でのコミュニケーションや進捗管理を円滑にすることで、生産性の向上に貢献します。
特徴 |
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機能 | 工程管理、掲示板、トーク機能、写真管理、工事書類の印刷、入退場管理、その他 |
価格 | 月額料金の1ヶ月分、月額10,000円(60ID) |
体験版 | 要お問合せ |
ガリバー匠
ガリバー匠は、小規模建設・工事業向けの建設クラウドERPサービスです。
従業員が50人くらいまでの小規模事業者向けに作られているため、安価かつ簡単な操作で自社業務を一元管理できます。
現場と経理で同じシステムを使用することで、現場の状況を経理担当者がリアルタイムで把握でき、請求漏れなどを防止できます。
リアルタイムな収支管理を工事別に行うこともできるので、事務業務の効率化を図り、収益データを有効活用できるようになります。
建設業特有の工事進行基準など、建設業会計基準にも対応している点も便利です。
特徴 |
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機能 | 案件管理、見積り、受注、実行予算、発注、原価管理、支払い、請求回収、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | 無料デモあり |
FineReport
FineReport(ファインレポート)は、中国のビッグデータ企業である帆軟(Fanruan)ソフトウェア株式会社が提供する、BIツールです。
中国を含む国内外で15,000社以上の企業が導入しており、実績が豊富なため安心して利用できます。
直感的な操作でデータを可視化・分析でき、初めて利用を検討する企業にも使いやすいでしょう。
さらに、データ統合、帳票設計・運用、データ入出力、管理ポータルといった企業でのデータ管理に必要な機能がFineReport1つに集約されているのも魅力です。
特徴 |
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機能 | 帳票設計・出力・管理機能、データ統合機能、ダッシュボード機能、各種グラフ、その他 |
価格 | お問い合わせ |
体験版 | 無料トライアルあり(90日間) |
EX-TREND武蔵
EX-TREND武蔵は、土木施工業向けに開発された総合的な施工管理システムです。
測量計算からCAD、出来形・写真・品質管理、電子納品まで、土木工事に関わる一連の業務をサポートし、現場の生産性向上に大きく貢献します。
特徴 |
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機能 | 測量計算、CAD、出来形管理、写真管理、品質管理、電子納品、その他 |
価格 | 要お問合せ |
体験版 | あり |
まとめ
建築業向けの工程管理ソフトは、現場でのスケジュール管理や進捗確認、リソース配分、品質管理などを効率化するために開発されたツールです。これらのソフトは、プロジェクトの全体像を把握しやすくし、業務の効率化とミスの削減を支援します。この記事では、さまざまなニーズに対応したおすすめの工程管理ソフトを15種類紹介しました。
たとえば、スケジュールやタスク管理、コスト管理に特化したソフトもあれば、クラウドベースで現場とのリアルタイム連携が可能なものもあります。選択の際には、自社の業務規模や目的に合ったソフトを見極めることが重要です。